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2011年11月19日 / misotukuri

自動車関連税の整理統合を考える

12月が近づいてくると、毎年、税制改正論議が盛んになってくるが、社会の転換期にあることでもあり、来年度税制改正もさることながら、3年ぐらいかけて税制の抜本改革をすればよいのにと思う。

税制を考えるとき、一番大事なのは、どういう社会を作るための負担なのかという視点だ。

まずは、社会設計が大事だ。

大多数の国民がどういう社会を望んでいるのかということについて、きちんとした認識があって、その上で、負担をどうするか、国民的議論をした上で、制度設計を考えなければならない。

それなしに、小手先のことばかり考えるから、皆が納得のいくものができない。

今日の朝日新聞で、ちらっと見たのだが、来年度税制改正で自動車2税(自動車取得税、自動車重量税)を廃止するとか。

何度も過去に出た話で、またかと思うが、どうせなら、自動車税、軽自動車税も含めて整理統合したらどうかと思う。

問題になるのは、大きく分けて次の3点だろう。

1 地方の貴重な自主財源であること

2 理論上(税法・会計法)の問題があること

3 関係業界の利害対立があること

1 地方の貴重な自主財源であることについては、自動車重量税は国税ではなかったかという疑問もあろうが、税収の1/3相当額は自動車重量譲与税として道路の延長と面積で案分して市町村に譲与される地方譲与税で、便宜的に国税として徴収を代行しているものなので、自主財源に変わりはない。

何でそんなことをしているのかと言えば、徴税の便宜、税法理論上の便宜、政治的便宜のためだ。

自動車重量税(国税の2%強)は国税。

自動車税(都道府県税収の12%強)、自動車取得税(都道府県税収の3%強)、軽自動車税(市町村税収の1%弱)は地方税。

2 理論上(税法・会計法)の問題があることについては、公の会計が1年会計を原則としていることから生じている問題と、二重課税(一物多税課税、タックス・オン・タックス)の問題とだが、これについては、ようするに考え方の問題で議論が分かれているに過ぎない。

従って、統一見解を出せば良いだけの話だ。

3 関係業界の利害対立があることは、関連する制度、たとえば、車検制度を考えてみればよくわかる。

自動車重量税や自動車取得税など、車検(登録)制度がなければ、税の徴収などできっこないし、車検(登録)制度自体、自動車重量税や自動車取得税などの権力行使がなければ、実効性がなくなる。

しかし、そもそも、日本の車検のような制度は世界に類を見ないものであり、自動車重量税や自動車取得税だけでなく完全な非関税障壁となっているものだ。

自動車税も3ナンバー車が国産車では少なかった頃、奢侈税的に急に税金が高くなっていたが、これがヨーロッパ車やアメリカ車に対する非関税障壁だと言われ、20年くらい前に軽減した経緯がある。

車のディーラーは、車をもっと売るためには車にかかる税金が少ない方が良いから、自動車重量税や自動車取得税を廃止しろ言う。

しかし、それを廃止したら、車検なんて受けなくなる。

ナンバープレートもどこかで拾ってきたやつをつけるようになる。

陸運局も店じまいだね。

当然、車検や登録をしないような人間は自賠責など掛けたりしないだろう。

今でも、車検切れで走り回っている車がどれくらいあるか知っているのだろうか?

感覚的に言って、0.5%くらいはあるように思うけどなあ。

数にすれば、ものすごい数だが、一時的にはもっとあると思う。

車検制度を維持するためには、いざというときに強制徴収できて、不納扇動の罪(懲役・罰金刑)までもがちゃんとある自動車重量税や自動車取得税が必要なのだ。

一方、外国は車検制度の非関税障壁性をやかましく言って、車検制度を止めさせようとするが、車の修理工場は車検で喰っているようなものだから、車検をなくされたらいっぺんに困ってしまう。

車検がなくなったら全国の自動車修理工の半分は失業するだろうし、損害保険屋も代理店の半分は店じまいだ。

こういうことを全て考えた上で、民主党税調の皆さんは自動車重量税や自動車取得税の廃止を言ってるんだろうか?

私は、むしろ、全ての自動車関係税を統合整理し、地方税として、自動車重量税一本にしたらいいと思う。

税率をどうするかはまた考えるとして、その賦課徴収は一括して都道府県が行い、税収は国と地方に案分するのだ。

そうすれば、コストは大幅に節減され、関係業界への影響も比較的少ない。

車検(登録)制度ももっと簡素化して安価にし、排出ガス規制を主とするものに変えていけば、諸外国からの批判もかわせるのではないか?

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