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2012年2月4日 / misotukuri

「エコー・パーク」読了-証拠はあるのか?

「エコー・パーク」(マイクル・コナリー著)読了した。

これは、現代ハードボイルドの傑作だな。

ただし、これを「LAW & ORDER」調にやったら、後半はどうなんだろう?と思ってしまう。

というのも、陰謀劇が二転三転して、最後に全容が分かっても、やはり、これも一つの良くできた説明でしかないのではないかと思うからだ。

迷宮入りしているマリー・ゲスト殺人事件の全容を破綻無く説明出来るA,B,Cという3つ説が順に現れる。

昔、その事件を担当した主人公の刑事は、自分が真犯人と目星をつけた人物とは違う人物が犯行を自供したため、最初のA説は無意識的に受け入れがたい。

そこで、被害妄想的になって、A説は政治的理由からA説で事件解決に向けて進めて行こうとしている者達と真犯人との間の共謀によるでっち上げだというB説を考えつく。

そして、そのB説で大団円を迎えるかと思いきや、思わぬ別の黒幕の存在に気がつき、C説も成り立つことに気がつく。

いったい、全てを矛盾無く説明できるのは、A説なのか、B説なのか、C説なのか?

これは、ハードボイルドだから、C説で決着がつくのだが、A説、B説、C説、どれも確たる証拠がない。

だから、これが、「LAW & ORDER」なら、犯罪を捜査して容疑者を逮捕するところまでの話でしかなく、後半の検察による起訴、裁判なら、いったいどうなるのかな?と思ってしまった。

だからこそ、主人公の刑事ハリー・ボッシュは、恋人のFBI捜査官レイチェル・ウォリングに強引な捜査方法を非難され、二人の決別は決定的となる。

よく考えてみると、話は全て主人公の目を通して語られており、ストーリーの真実性を何ら保証するものではないのだ。

とすると、ボッシュは唯一の現実との接点を失ったのかも知れない。

これも「LAW & ORDER」の見過ぎの影響か?

これを見ていなかったら、大傑作ハードボイルドとただ満足していたのになあ。

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