Skip to content
2012年3月17日 / misotukuri

「長く孤独な狙撃」読了

積ん読本だった「長く孤独な狙撃」(パトリック・ルエル著)とうとう読了した。

パトリック・ルエルとは、レジナルド・ヒルの別名義。

さすが、文章が上手いね。

巧みな比喩のレトリカルな表現は流麗で、湖水地方の美しい自然やそこで展開される心理ドラマを余すところなく描いている。

ストーリーの構成もサブストーリーも含めて、緻密で破綻がなく、最後のクライマックスまで、絶妙のテンポで進んで行く。

まさに職人芸と言おうか、素晴らしい傑作だね。

実に絵になる作品だから、映画化されているのでは?と思ったが、よく分からなかった。

主役の長距離狙撃専門の殺し屋ジェイスミスには、パトリック・マクグーハン、恋人アーニャには、ジュリー・クリスティ、その父で標的のブライアントは、ジョージ・C・スコット、殺し屋の雇い主ジェイコブには、リー・ヴァン・クリーフでどうかな?

実は、レジナルド・ヒルは、「スパイの妻」しか読んだことがない。

これも素晴らしい傑作だった。

しかし、はっきり言って、上手すぎるのだ。

ま、私はちょっと求めているものが変わっていてね、上手すぎる作家の小説はついつい敬遠してしまうのだ。

ストーリーを大事にする英文学の伝統の末端に連なるような作品より、優れていなくてもいいから、もっと目新しい仕掛けのある作品がいい。

だから、長らく積ん読本になってしまった。

しかし、あと1冊くらいは、読んでもいいね。

作家の作品リストをネットでチェックしていたら、「社交好きの女」も読んだかも知れない。

評判のいい、「薔薇は死を夢見る」を読んでみようか?

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。