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2012年3月26日 / misotukuri

国際版地方交付税はあり得ない

浜矩子教授が「日本経済の行方」という講演の中で、「僕富論から君富論へ」という議論を展開している。

http://www.kyodo.co.jp/articles/2012-03-19_45030/

そのなかで、「ユーロ圏」消滅の可能性に触れて、その理由として次の二つを挙げている。

1,域内の経済実態の収れん度が完璧であること

2,域内格差を是正する中央所得再配分装置があること

同上のリンクから引用すると、以下の通り。

<私は、ユーロ圏は消滅する可能性があると思っている。

一定の経済圏で単一通貨の共有が可能になるには、二つの条件が要る。第一は経済実態の収れん度が完璧であるということだ。地域格差、所得格差などが一切なく、物価、金利の水準や失業率が同じなら、どこに行っても購買力は同じであり、異なる通貨は意味がないからおのずと単一通貨圏になる。域内格差が存在しても、その格差を埋める“中央所得再分配装置”をつくればいい。これが第二の条件だ。補助金や交付金で格差を埋めることができれば、単一通貨圏を維持できる。

今のユーロ圏は二つの条件がどちらも存在しない。ドイツとギリシャにはあれだけの格差があり、格差を埋める中央所得再分配装置にはドイツが強く反対している。ユーロ圏が単一通貨圏として持続することは理屈としてあり得ないということになる。>

いかにももっともらしいが、そうだろうか?

まず、第一の条件を満たすような国はどこにも存在しないと思うので、条件として掲げること自体が間違っていると思う。

また、第二の条件は、そもそも、一国内でなら、格差のある国民個人から所得税で吸い上げた所得を地方交付税等で地方団体に配分することは可能だが、単一通貨圏であっても多国で構成している場合は、モラル・ハザードなしには難しいだろう。

そもそも、ドイツ国民が稼いだ所得をギリシャ国民に何の見返りもなく施してやるというのは、それこそ、経済の否定だ。

デフォルトということは、平たく言えば、国有財産を売って清算しろと迫られてもしかたがないことではないか。

そのようにして、ギリシャという統治国家を解体し、EUがドイツなどにギリシャ統治を委任することにより、EUの連邦化が促進され、ユーロ圏が名実共に確固としたものになっていく。

だから、ユーロ圏を維持するためには、むしろ、ギリシャのデフォルトを救済してはならないのだ。

中央所得再分配装置は、構成国が統治主権を返上し、連邦国家になれば、連邦政府が当然に考えるべきことで、それ以外はうまく行かないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

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