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2012年3月29日 / misotukuri

密室 引き倒されたヒヤシンス事件

昨日の朝、「夫が私のヒヤシンスを引き抜いた!」という老婆の怒りの告発の声で目が覚めた。

ちょっと待ってと、着替えをしながら、そしてまだ顔も洗っていない寝ぼけ眼をこすりながら、起き抜けの回らぬ頭にわかりにくい話を聞かされていた。

まるで「踏みにじられたペチュニア事件」(テネシー・ウィリアムズ)だな。

ちょっと違うのは、老婆が私の母で、当然ながら、その夫は私の父だということになることだ。

私、迷探偵Jinchanは、現場検証を兼ねて私専用の朝刊を取りに玄関に行くことにした。

ヒヤシンスは玄関の床に鉢植えして並べてあったのだが、何ともなかった。

「何ともないでぇ」と言うと、ついてきた母は、今さっき支柱を添えて緑の針金で巻き付け、植え直したのだという。

そう言われて、よく見れば、ギブスをはめたみたいになっている。

そして、心なしか、昨日よりしおれている感じがした。

ただ、犯行現場は何もさわらず、そのままにしておいて欲しかったな。

犯人と名指しされた父はもう出かけていていなかった。

私は、脇道にどんどん逸れていく母の話を聞きながら、昨日からの全員のアリバイを考えていた。

そして、結論を下した。

「しおれとっただけと違うん?」

だが、当然、そういう結論は受け入れられなかった。

しかし、花の支柱が引き抜かれ、倒れていたのを第一に発見したのは、母。

普通、第一発見者を疑え!というのが、捜査のセオリーなのだが、ま、それはしばらく、横に置いておいて。

何故、母はそれを発見できたのか?

たぶん、自分の朝刊を取りに行ったのだろう。

その時に目に入った。

ところで、一昨日の朝は私が両方の朝刊を取りに行ったが、その時は後で写真を撮ろうかなと思ったぐらいで、何ともなかった。

その時、支柱があったかどうかは、記憶にない。

父は朝から実弟の見舞いに日赤に出かけていて、帰ってきたのは夜の8時過ぎで、出入りは勝手口からした。

私は昼食後、畑に出かけ、帰ってきたのが、午後3時頃で、出入りはこれまた別のところを使った。

帰ってきて、階段下の私専用郵便受けにAmazonで取り寄せた本のゆうパックが来ていた。

郵便配達はいつも午後1時30分頃で、母が受け取ってくれたようだ。

・・・ということは、その頃は、まだヒヤシンスは何ともなかったのだ。

何か、異常があれば、その時気がつくはず。

とすれば、犯行があったのは、(あったとすればだが、)一昨日の午後1時30分頃から昨日の午前8時頃までの間ということになる。

この間、玄関に足を運び、犯行が可能だったのは、母だけしかいない。

しかし、わざわざ自分で引き抜いて、また支柱をつけ直したりすることもあり得ない。

そもそも、支柱など最初からついていたのか?

・・・・とまあ、そう思って、しおれただけではないか?と思ったのだ。

後で、農業の専門家である父に聞けば、支柱は月曜日、日赤に出かける前に緑のテープ付き針金と一緒に母にやり方を教えて渡したのだという。

母は、それをケアに来てくれたヘルパーさんに、やり方を教えて、「しといて」と渡したらしい。

私は、支柱があったかどうか、よく見ていなかったので、覚えていない。

いつも水をやっている父は、月火水と朝から出かけたので、その間、水やりができていなかった。

母は、花の水やりとかいう世話は一切しない人なので、昨日、朝、朝刊を取りに玄関に行って、初めて支柱がヒヤシンスの茎に添えられていないことに気がついたのだろう。

花がしおれて、鉢の縁に倒れているのを見てね。

だが、ヘルパーさんは、ヒヤシンスに支柱を緑のテープ付き針金で巻き付けたのだろうか?

そういう必要がなさそうなので、そのままにしておいたのでは?

支柱は昨日の朝、初めて、母によって巻き付けられたのでは?

全ては母の勘違いでは?

だが、「密室 引き倒されたヒヤシンス事件」というべき犯行が仮にあったとしたら、それを実行出来たのは、他ならぬ母しかいないのだが・・・

しかし、迷探偵Jinchanが謎を解明しようにも、犯行現場の保全がなされていない以上、これ以上の推理はもはや不可能だ。

あなたなら、どう思う?

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