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2012年5月29日 / misotukuri

ブュテ、フロッチの強打に沈む

IBF世界S・ミドル級タイトルマッチ、王者ルシアン・ブュテVS挑戦者カール・フロッチの一戦は、意外にも5RTKOでフロッチが勝利し、新王者となった。

ブュテは初めての敗北だったが、こんなにも一方的な試合になるとは誰が予想しただろうか?

だが、後から冷静に考えてみれば、こういう結果もあり得たと思う。

ひとことで言えば、カール・フロッチの体格を生かした正統的パワー・ボクシングには、ルシアン・ブュテの変則的パワー・ボクシングはまるで歯が立たなかった。

両者の体格は画像で見る限りほぼ互角だが、なで肩のブュテに比しフロッチはがっちりしているだけ大きく見えた。

背はブュテが188cmでフロッチが185cm、リーチはブュテが178cmで、フロッチが189cm。

ブュテが右腕をだらりと大きく下げて頭の位置を絶えず動かすサウスポースタイルなのに対してフロッチはガンガン攻め立てるオーソドックス。

フロッチの防御は、特に意識的に守っているようには見えなかったが、背が高く、距離が遠いのが自然な防御となっている。

ブュテのパンチがこれほど届かないのも初めて見た。

逆にフロッチのパンチは左も右も面白いように当たり、ブュテの半泣き顔が本当の泣き顔みたいになった。

ブュテは、あまりに打たれるので、とうとう右手までガードするようになったが、これではブュテの戦闘力は半減する。

おまけに普段したことない防御だから、いくら腕を上に上げていても、フロッチは難なくそのガードを突き破っていた。

フロッチが上手というのでなくブュテの防御が下手なのだ。

変則が正統に負ける時というのは、こんなものかもしれないな。

ナジーム・ハメド(変則型サウスポー)がマルコ・アントニオ・バレラ(オーソドックス)に負けた試合を思い出した。

ブュテもハメドも身長の割にはリーチがないので、それを上体の動きや、ノー・ガード、特にリード・ブローを打つ右のノー・ガードにより、パンチを出しやすく、かつその軌道を読まれないようにしていた。

だが、正統派が変則派の動きに幻惑されパンチを出さずに見ているようだと、変則派の術中にはまるが、正統派が委細かまわずガンガン攻め立てると、変則派は幻惑スキルを見せるヒマがなくなり、肉弾戦になる。

こうなれば、耐久力や防御技術の差が出てくる。

ブュテVSフロッチでは、耐久力でフロッチが明らかに上だった。

ブュテのパンチも何度かフロッチの顔面を捉えていたが、フロッチはまるでへっちゃらだった。

防御技術では、ブュテのようなスピードや動きや攻撃で間に合わせているやり方では、いざそれらの間に合わせを封じられた時にいっぺんに崩れてしまう。

これはやっぱり、スーパー6で超一流と戦い続けて準優勝したフロッチといまだ全勝だがそういう厳しい戦いをしていないブュテとの差が出たのかな?

それはバンタム級でもスーパー4を勝ち抜いたアブネル・マレス(現WBC世界Sバンタム級王者)にも通じるところがあり、若さにまかせた馬力だけでなく、彼もまた真の強者との対戦の連続の中でつかんだ何かを持っている。

マレスもまた、がっちりしたオーソドックスで、ガンガン攻めるファイターだ。

変則にはこういうのがいいのかもしれんなあ。

 

 

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