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2012年6月8日 / misotukuri

レイ・ブラッドベリ死す

レイ・ブラッドベリ死去。享年91歳。合掌。

レイ・ブラッドベリといえば、私のSF遍歴の最初期に出会った作家だ。

SF界の詩人とか言われていたように思うが、私にはむしろ「幻想と怪奇」というか、今で言うところのダーク・ファンタジー系の作家のように思っていた。

短編集「10月はたそがれの国」(創元y推理文庫)の19の収録作品は、どれもこれも死の予感で充ち満ちている。

中でも「みずうみ」は、ブラッドベリ自身が初めて傑作を書き上げたという実感を得た事実上の処女作で、確かに読んでいても震えがくるような傑作だ。

「つぎの番」は、「プレイボーイ」誌に載った作品だったと思うが、これも良くできている。

ラストは、映画で使われそうなくらいの秀逸もの。

ビジュアルといえば、ジョー・マグナイニの12枚の挿画がまたムードがあって素晴らしいので、この本を手に入れたら愛蔵本とされたらいいだろう。

挿絵が喚起するイメージのせいか、頭にこびりついて離れない作品もある。

「大鎌」、「二階の下宿人」、「ダッドリー・ストーンのふしぎな死」、「群衆」・・・などだ。

作品としては、ラストのオチがよく利いている「群衆」が好きだな。

ブラッドべりは映画やTVの脚本にタッチしたり、原作になっているのもたくさんあるので、SF作家の中ではP・K・ディックに次いで一般大衆に与えた影響というのは大きいんじゃないかな?

「刺青の男」、「太陽の金の林檎」、「火星年代記」、「華氏451度」、「メランコリーの妙薬」等々。

中でも、「いれずみの男」(1968年米、ジャック・スマイト監督、ロッド・スタイガー他)は良くできていた。

「火星年代記」は、映画と思ったら、TVだった。

「華氏451」(1966年英、フランソワ・トリュフォー監督、ジュリー・クリスティ他)は、マッカーシー旋風を風刺したものであるにもかかわらず、誰もそれに気づいてくれなかったとか。

ジュリー・クリスティが二役で出ている。

マイケル・ムーアの「華氏911」にはブラッドベリは怒ったそうだが、どういう理由からかな?

「サウンド・オブ・サンダー」(2005年米、ピーター・ハイアムズ監督)は、歴史改変物で、改変された世界がなかなか不気味で恐ろしい。

まあ、こういうのを見ていると、SFというのは、別にハードでなくってもいいんだなと思う。

ダン・シモンズやジェイムズ・ティプトリー・Jrのように絶対あり得ないのも困るが・・・

それにしてもSF界の最後の大御所の死去で夢がまたひとつ消えたような寂しい感じだね。

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