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2012年11月13日 / misotukuri

「処刑前夜」読了-いかにも女性的な女性的なミステリ

「処刑前夜(THE RED SCREAM)」(メアリー・W・ウォーカー著)昨夜、といっても、24分今日になっていたが、とうとう読了した。

1995年MWA長編賞受賞作だが、それほどの傑作とは思えない。

今年は、MWA賞受賞作品を中心に読んでいるが、やせても枯れてもMWA賞受賞作品だから、作品の出来栄えはどれもA級だが、それに+++、++、+をつけるとすると、これは+だな。

だいたい、読み進みながら、これって、シルエット・ロマンス?とか、思ってしまったもんね。

人口の半分は女性で、ミステリファンの数でもそれは同じだろうから、やっぱり、こういう作品がウケるのかなあと思った次第だ。

女性でなければ書けないようなことが随所に出てくるが、そういう箇所に出くわすたび、スカートなど穿いたことのないミステリファンの私は反発を感じてしまう。

あまり本質には関係ないところでページ数が増えているような気がするんだよな。

以前にも紹介した私のミステリ・フーダニット三原則の第一原則「犯人は登場人物の中にいる」からすれば、主要登場人物が出そろった段階で、数人に絞られる。

そして、第二原則で、いかにもあやしい人物を排除する。

これで犯人がわかってしまうようなミステリは凡作だ。

私が「ミレニアム」シリーズをミステリとは認めないのは、いかにもあやしい人物がやっぱり犯人だったと堂々と書いているからだ。

ああいう犯人隠匿の工夫も何もないのは、単なる犯罪小説であって、ミステリではない。

この「処刑前夜」は、ミステリだろうか?

まあ、シャーロット・アームストロングのように、息もつかせぬ筆力でラストまで持って行ってしまうサスペンスの名手もいるが、どうなんだろう?

連続殺人鬼が死刑執行の直前になって、「最後の殺人はやってない、潔白だ、証拠もある」と主張したのを主人公が裏付け調査を始めるのだが、その途端、証拠は盗まれたり、焼失したりするわ、主人公は殺されそうになるわ、と面白いのだが、このあたりが駆け足でもう一つだね。

そして、実はここのところのフーダニット、ハウダニットの解明が、ミステリとしては根幹の部分。

主人公が探偵じゃないからこれでいいのだという説も成り立つがね。

ミステリとしては論理構成が弱く、元々の事件もそのアウトラインをなぞるだけで冤罪であるのは明らかで、犯罪ライターがそのことに気がつかないのはおかしい。

まあ、いろんな意味で、いかにも女性的なミステリとしかいいようがない。

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