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2013年1月12日 / misotukuri

「ツンドラの殺意」読了

今日、眼医者の待合室で「ツンドラの殺意」(スチュアート・カミンスキー著)を読了した。

1989年のアメリカ探偵小説作家協会長編賞(エドガー賞)受賞作品だ。

普段は、読了してもめったに翻訳者のあとがきなど読まないのだが、今日は他にすることもないので読んだ。

たいていあとがきで本編と関係のないことを長々書いているのは、面白くない作品だということらしいが、この本は、エドガー賞受賞作でもあり、面白いのは最初から保証されている。

実際、翻訳がヒドイ(特に度量衡についてメチャクチャ)他はよくできているし、まあまあ面白いと思うが、はっきり言って、どうしてこの程度のミステリがエドガー賞をもらったのか疑問だ。

歴代のエドガー賞受賞作を見ていると、シリーズ物の一作品が受賞したケースがままある。

中には、傑作もあるが、単独の作品として読んだ場合、少し描写不足だったり、メイン・ストーリーとの関連が不明だったりする場合がある。

この作品もそういうきらいが多分にある。

だから、フーダニットを考えながら単独の作品として読んでいると、肩透かしにあってしまうことがある。

こういうのを現に目の当たりにすれば、この作品がエドガー賞を受賞したのは、人気シリーズへの論功行賞的な意味合いもあったのではないかと勘ぐりたくなる。

だから、モスクワでの部下たちの活躍の話は、シベリアのツムスクでの事件とはほとんど直接関係ないと考えれば、フーダニットも古風な本格推理小説の味わいがしてより楽しめるのではないか?

<私のフーダニット3原則>

1 犯人は登場人物の中にいる(それが現実の犯罪と違うところだ)

2 犯人は最も疑わしい人物でないことが多い(つまり、怪しくない人物こそ怪しい)

3 犯人には犯行の動機がある(動機なき犯罪はない)

この小説では、1,2は該当する。

だが、3は、犯人に動機はあっても解決する方法は他にもあり、殺す必要はなかったのではないかと思われる。

つまりは、動機が弱い犯罪ということになる。

フーダニット(誰が殺ったのか?)については、3原則を考えてみたが、未だハウダニットについては、そのようなものは考えつかないでいる。

なぜなら、単独犯に見えても共犯者がいたり、また、嘱託殺人や交換殺人などもあることであり、バリエーションが多すぎるからだ。

通常、フーダニットで割り出した犯人にアリバイがあれば、単独犯ではないと考えるべきだろう。

動機がないように見える場合も従犯である可能性が高い。

なお、作者の名前だが、Stuart M. Kaminskyと書く。

問題なのは、Kaminskyのskyの部分で、ここをyと書くのはロシア系で、iと書けばポーランド系と聞いたことがある。

友人のサラ・パレツキー(Sara Paretsky)もyと書いているからロシア系と思うが、彼女の創作した女探偵 V・I・ウォーショースキー は、V. I. Warshawskiと書くのでややこしいが、ポーランド系と思う。(サラ・パレツキーは全然読んでいないので、よく知らない)

ところが、訳者は共にポーランド系だから親しいと考えているようだ。

ついでに、ポーランドの映画監督であるイエジー・スコリモフスキは、Jerzy Skolimowskiと書くし、ロマン・ポランスキーもRoman Polanskiと書く。

ロシアの映画監督であるアンドレイ・タルコフスキーは、ロシア語ではАндрей Арсеньевич Тарковский(アンドレイ・アレクセニェヴィッチ・タルコフスキー)と書き、英語では、Andrei Arsenyevich Tarkovskyと書く。

作曲家のチャイコフスキーは、ロシア語では、Пётр Ильич Чайковский(ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー)と書き、英語では、Peter Ilyich Tchaikovskyと書く。

詳しくは、「ロシア系アメリカ人」で検索してみれば、英語表記では必ず何とかスキーの場合、何とかskyと書かれているし、「ポーランド系アメリカ人」で検索してみれば、何とかスキーは、何とかskiと書かれているので間違いないことだと思う。

ロシア人なのにskiとなっているのは、間違いか、あるいはポーランド系ロシア人だろうと思う。確信はないが。

なお、今日は、昼から恒例の味噌作りをして疲れてしまったので、もう何も読まずに寝よう。

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