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2013年3月20日 / misotukuri

キプロス銀行預金に税金をかけるのは禁じ手

キプロスが銀行預金の残高に税金をかけようとして失敗した。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM2001J_Q3A320C1MM8000/?dg=1

オレも昔、小泉政権の頃、そんなことを考えたことがあるが、難しいね。

友人とプライマリー・バランスの話をしていて、「資産課税と言っても金融資産に対する課税って、ないよな」と言うことから始まったのだが、いろいろクリアすべき問題がある。

どの時点で課税するかとか、税率として適当な率をどう決めるかとか、徴税方法とか、借金の扱いとかいう課税技術上の問題もさることながら、キプロスでも起きているように国民の反発による取り付け騒ぎ、資本の海外逃避が最大の問題で、やっぱり、これはダメだなと思った。

キプロス政府が行おうとしたのは、すべての預金に対して一回限り10%くらいで課税するというものだということくらいしか知らないが、これはいかにも乱暴だな。

中でも銀行経営失敗の責任をどうして預金者が負担しなければならないのかという根本的な問題が理解できない。

銀行が倒産してペイオフということで、運の悪い預金者が泣きを見るのは致し方ないにしても、ペイオフさせませんから一律何%いただきますと言われたら、ロシアのマフィアなんかでなくても誰でも預金を全額引き出して、別の経営がうまくいっている銀行に預けるよ。

また、一回限りの臨時的な課税ではなく、永続的な課税ということであれば、税率10%は高すぎる。

年税としては、同じ資産課税である固定資産税の税率が参考になるだろう。

日本の固定資産税の税率は1.4%だが、これはまあ、70年も払えばちょうど取得価格になるという率だ。

徴税当局は、その人の一生をかけて資産価値相当額を取り上げて、死ねば更に相続人に相続税をかけて数十年分相当額を奪う。

そして、相続人からは、また一生をかけて資産価値相当額を奪っていく。

資産課税とはそういうものなのだ。

(不動産取得税という固定資産税の先取りみたいな一回限りの税があるが、それも、先取りだというなら、固定資産税が課税されるまでの月割りで課税すべきだ。)

それを相続でもないのに一度に限り、課税するというのは、理屈に合わない。

死んだのは銀行であって、預金者は相続人ではない。債権者だ。

さらに、預金は、金利差で稼ぐため、借金して預金することがある。

そんな場合、借金分を課税対象から控除しなければ、銀行自体に課税しない根拠がなくなる。

しかし、そういう意図はないはずだろうし、借金分を控除できるとすれば、課税自体が複雑になり、銀行に徴収を代行させることも出来なくなる。

やっぱり、これは禁じ手だよ。

せいぜい、利子課税するのがいいとこだろう。

しかし、それでは必要な資金が確保できないときた。

デフォルトやむなしか。

困ったな。

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