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2013年10月24日 / misotukuri

映画「フィッシュ・タンク」は21世紀青春女の旅立ちか?

 昨夜、WOWOWの録画で映画「フィッシュ・タンク(Fish Tank)」(09年、英・オランダ、アンドレア・アーノルド監督、ケイティ・ジャービス、マイケル・ファスベンダー他)を見た。
 http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/102568/
 面倒だから、内容紹介をコピペすると、次のとおり。

 イギリス東部エセックスの労働者階級の人々が多く住むアパートで、母親やまだ幼い妹と3人で暮らす15歳の少女ミア。
 すさんだ生活環境の中、ミア自身も始終周囲とトラブルを起こし、荒れた毎日を送っていた。
 ある日彼女は、母親が家に連れ帰って来た新しいボーイフレンド、コナーとばったり台所で出くわす。
 屈託ない笑顔を浮かべ、ごく自然に彼女のありのままの姿を受け入れるコナーに、次第にミアは心惹かれていくのだが…。

 これは、まさに21世紀・青春-女の旅立ち-と言っても良い青春映画の傑作だね。
 この映画の素晴らしいところは、描写が的確なところかな?
 全てミアの視点から描かれているのだが、それとなく彼女たちが置かれている環境や登場人物の人となり、抱えている問題などが知れてくる。
 ストーリーは、ありきたりでさほど驚きはないが、ミアのいらだちと愛、怒りや哀しみなどが手に取るように伝わってくる。
 スクラップの部品を集めて手作りでボルボの乗用車を作っているジプシー(?)の青年のミアを遠くから見守るような奥ゆかしい優しさもわずかなセリフから感じられる。
 自堕落な美人の若い母親は、セリフからすれば多分、生活保護を受けているシングル・マザーで、幼い妹は異父妹だろうと推測がつくし、アルコール依存症寸前だが、まだまだ新しい出会いを期待している現役プンプンさも見事に描かれている。
 妹のキャラクターも秀逸で、ませた子供の彼女は自堕落な母親や荒れた姉の失敗をじっと見つめているところが出ており、下の子供というものの性格がよく描かれている。
 ホント、この映画、奥が深いよ。
 思想性とかプロテスト性とか全くないが、どちらかというと手法的にはリアリズムかな?
 フィクションの中に真実を見いだすような作品ばかり見ていた中で、こういうリアリズムの作品を見ると新鮮だ。
 ところで、フィッシュ・タンクという題の意味は何だろう?
 喰われる(搾取される)前の魚(=労働者)を入れておく生け簀という意味か?
 最後にミアと母親と妹三人が狭い居間で踊り出すシーンからは、ドライなJinchanもジーンと来っぱなしだった。
 この映画、今年見た映画のベスト1にしてもいい。

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