Skip to content
2014年10月12日 / misotukuri

鬼についてこれから考えたい

ダンテの「神曲」地獄篇第十八曲を読んでいて、オヤッと思ったのだが、こういうくだりがある。
「黒ずんだ岩の上のあちらこちらに大きな鞭を持ち、角を生やした鬼たちを見かけたが、鬼は容赦なく罪人を後ろからひっぱたいた。」(平川祐弘 訳)
「黒ずめる岩の上には、かなたこなたに角ある鬼の大なる鞭を持つありてあらあらしく彼らを後ろより打てり」(山川丙三郎訳)
問題は、「角を生やした鬼たち」、「角ある鬼」という表現だ。
西洋にも「鬼」がいたのか?とすれば、日本だけのオリジナルではなかったのか!
原文では、ハテ、どうなっているのだろう?
「ダンテ 神曲 原文」でネット検索すると、こういうのを見つけた。

https://appsv.main.teikyo-u.ac.jp/tosho/gaikokubungaku-17-3.pdf#search=’%E3%83%80%E3%83%B3%E3%83%86%E3%80%8E%E7%A5%9E%E6%9B%B2%E3%80%8F%E5%9C%B0%E7%8D%84%E7%AF%87%E5%AF%BE%E8%A8%B3%EF%BC%88%E4%B8%8B%EF%BC%89′
該当箇所をコピペすると、

34  Di qua, di là, su per lo sasso tetro
35 vidi demon cornuti con gran ferze,
36 che li battíen crudelmente di retro.

34  (濠の底の)黒ずんだ岩肌の上の、あちらこちらに
35 角(つの)を生やした悪魔たちが大きな鞭を手に
36 罪人を後ろから容赦なく鞭打つのが見えた。    (ダンテ『神曲』地獄篇対訳(下)藤 谷 道 夫)

これによれば、「角を生やした鬼たち」、「角ある鬼」は、35の「demon cornuti 」に当たる。
つまり、「鬼」=「demon(悪魔)」で「角を生やした」=「cornuti」と言える。
「vidi demon cornuti 」は、「角を生やした鬼(悪魔)を見た」となる。
何だ、「角を生やした悪魔」を「鬼」と翻訳しただけなのかと、ちょっとガッカリ。
ところで、悪魔の一般的な姿とは、Wikipediaによれば、「類型的な悪魔像は、ある程度「人間に似た形」をし、肌が紺色、あるいは黒や赤色で、目は赤く、とがった耳を持ち、とがった歯を有する裂けた口を持ち、頭部にはヤギのような角を生やし、とがった爪の付いたコウモリのような翼に尻尾を持つ、といったもの。また、かかとがないことも重要な特徴とされる。絵に描かれた悪魔は、これらの特徴のほぼすべてを備えているものもあれば、一部のみを有するものもある(略)」らしい。
翼と尻尾とがあり、かかとがないことを除けば、確かに日本の「鬼」そっくりだ。
まあ、イメージとしては、「悪魔」は日本の「鬼」よりよほど頭がいい上等な存在だが・・・
「神曲」の「角ある悪魔(demon cornuti)」の起源は、旧約聖書以前に遡ると思うし、バイキングの角のある兜(儀式用)も気になる。
日本の「鬼(オニ)」の起源も、中国の「鬼」=「オニ」とあてた以前からあったわけだし、このブログを書く1時間やそこらの探索でとうてい見つけられそうもない。
まあ、宿題と言うことで、「鬼」についてはこれから考えることにしたい。

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。