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2014年12月30日 / misotukuri

世田谷区一家殺害事件を推理する-殺される動機

 先日、普段はほとんど見ないTV地デジのバラエティ番組を見た。
 2000年12月30日の夜起きた世田谷区一家殺害事件について、元FBIプロファイラーに来日してプロファイリングしてもらう企画だった。
 ちょうど数日前の新聞で、この事件のアリバイ関係で大きな進展があったことが報道された(犯行翌日の朝10時半頃まで犯人が家の中にいたという根拠となっていたPCのネットアクセスの痕跡は、第一発見者が誤ってマウスを落としたことによる誤作動の可能性がある)記事を読んで大きな興奮を覚えたところだった。
 私迷探偵Jinchanもこの事件については関心は十分あったが、まだ探偵業を始める前のことだったし、たくさんあった遺留品からプロの警察が科学捜査をしてもなかなか犯人像を絞り込めないことで、思考停止に陥っていた。
 何しろ、遺留品の多すぎる事件で、犯人の血液型、指紋、DNA、大便までわかっているにもかかわらず、犯人にたどり着けない。
 こういう場合、ミステリ・ファンなら誰でも思うことだが、その意味するところは、次の2つしかない。
 1 遺留品は偽装されたもの
 2 遺留品から辿られるのを気にしていない
 1なら、犯人はプロの殺し屋で、2なら被害者に深い恨みを抱く精神障害者。
 元FBIのプロファイラーの説は、顔見知りの犯行で、受けた感じでは、多分、2の精神障害者ということなのだろうなと思う。
 精神障害者でも知能の高い精神障害者は、深くつきあわないとわからないこともあるし、念入りに偽装したのかも。
 しかし、絶対偽装でないと思えるのは、遺留品に付着した微量のDNAだろう。
 自分のDNAの痕跡を残さず、完全に別人のDNAとすり替えることなどまず無理としたもの。
 ただ、日本でのDNA鑑定は2004年にデータベース化がなされるようになったので、犯人も捕まらなければ関係ないと血液型ほどは警戒していなかったのかもしれない。
 しかし、衣服から検出された汗などのDNAと血液から検出されたDNAが一致しているのだろうから、とすれば、犯人は如何に偽装したとしても遺留品から辿られるのを気にしないのか?
 何となく、元FBIプロファイラーのプロファイリングに近づいてくる。
 精神障害者なら何度も似たような殺人事件を繰り返すだろうから、似た事件を集めれば何か糸口がつかめるかも知れない。
 だが、あるいは手など負傷しておらず、衣服についた微量の汗も偽装であって、指紋も創作した指紋を貼り付けたゴム手袋をはめて偽装したのかもしれない。
 この程度のことはマニアならプロでなくても出来るだろう。
 スケートボードとの関連を疑わせる塗料などの遺留品も盗んだ物かも知れないし、偶然かも知れない。
 あのヒップバッグはオレのです、半年前に盗まれましたとか、わかってても自分が犯人にされるかもしれないので言うわけない。
 こうなると、2の精神障害者でも、遺留品からは幾ら辿っても無駄というものだ。
 ところで、迷探偵Jinchanは、日本にも本物のプロの殺し屋というのがいると思っている。
 だが、プロの殺し屋ならこんな手の込んだやり方で一家全員を殺すだろうかとも思う。
 一家全員をその家で殺してくれという依頼をするケースがどれだけあるかわからないが、ミステリ的には、被害者もプロの殺し屋だった場合かな?
 何かの見せしめか、内部抗争の粛正か。 それくらいしか、一家全員惨殺という理由が思いつかないが。
 しかし、このテレビ番組を見て、あまりにも遺留品から来る犯人のプロファイルばかりに偏重して、被害者のプロファイルが十分公開されていないところに、問題があるとも感じた。
 そもそも被害者がつくる動機というか、一家全員が殺されなければならない理由って、もっと被害者のプロファイルを知らないと、わからないものだからね。
 それはともかく、この犯罪のもう一つの大きな疑問は、犯人が犯行後、遺留品の偽装工作をして、その夜速やかに立ち去ったとすると、玄関のセンサー点灯の外灯は一体誰が点けたのかというトリック問題だ。
 ・犯行時・・・点灯していた(家人が点けていた)
 ・翌4時頃・・・誰かが消して、ずっと消えていた(新聞配達人がポストに近づくと一時的に点灯)
 ・翌10時頃・・・隣家の妻の実母が、点灯しているのを見ておかしく思った
 これが実母の記憶違いでないなら、犯人は翌朝4時過ぎまで家の中にいたか、あるいは二度二階の風呂の窓から出入りしたことになる。
 一度ならともかく、跡も残さず、二度も出入りするのはあり得ない。
 ミステリ的にこの密室の謎を解くと、犯人は実は家人と親しい関係の人間だろうと思う。
 犯行前、犯人が家に入るときは、犯人が来るのを外灯を点けて待っていた被害者(夫)に入れてもらった。(それしかない)
 犯行後、犯人は遺留品の偽装工作をして、家の鍵を持って、外灯を消し、センサーが働かないようブレーカーを落として、いったんは玄関から去った。
 犯人は、自宅かアジトで鍵の予備を作り、新聞配達が来る前に玄関から家の中に入ってブレーカーを戻して外灯のセンサーを働くようにし、鍵を元の場所に置いて、新聞配達が来るのを待っていた。
 新聞配達が来て、センサーが働き、いつものように外灯が点き、新聞配達人はポストに新聞を入れ、立ち去る。
 新聞配達が去ってしばらくしてセンサーが働き外灯が消灯すると、犯人は家の中から外灯を点け、新聞を取りに出てきた家人のフリをして玄関から出て、予備の鍵で施錠し、立ち去る。
 すると、やがて消えるはずの外灯は、いつまでも点いていて実母がそれを見て不審に思う。
 ちょっとした衝撃でマウスが動き、インターネットにアクセスするようにしてあり、後は第一発見者である妻の実母がドアを開けるのを待つだけ。
 犯行後、長時間、まだ中に犯人がいた証拠に外灯を点ける必要があった。
 ただ、プロなら、もっと早い段階で家人に怪しまれず合い鍵を作っていただろうし、外灯のトリックなどする必要があっただろうか?
 逃げ去るところを目撃されたため、少なくとも翌朝の4時過ぎくらいまで犯行現場にいたことにする必要が生じたのかもしれない。
 となると、新聞配達人は、犯人にそのルーチン・ワークを利用されたと言える。
 しかし、大胆に踏み込んで言えば、あるいは、その新聞配達人こそ、犯人または鍵を家の中に戻し、中から外灯を点けるだけの共犯者であったとしてもおかしくはない。
 さすがに、これは大きな空振り三振に終わりそうな推理だなと自分でも思うが・・・・
 では。

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