Skip to content
2015年1月5日 / misotukuri

「緋の収穫祭」(S・J・ボルトン)読了

 年越しでようやく「緋の収穫祭」(S・J・ボルトン)読了した。
 「三つの秘文字」、「毒の目ざめ」に続く著者三作目の本書もまたなかなかの出来映えで、2010年のCWAゴールド・ダガー賞候補になり、惜しくも選を逃したとはいえ、作品の客観的水準は想像がつくだろう。
 彼女の小説は、これで3作目だが、ジャンルで言えば、皆、ロマンチック・サスペンス・ホラーかな?
 だからかもしれないが、ヒロインを考えてみると、
 「三つの秘文字」・・・不妊に悩む産婦人科医
 「毒の目ざめ」・・・・顔半分に醜い傷痕がある動物医
 「緋の収穫祭」・・・・片足が不自由な精神科医
 ということで、彼女たちのプロファイルには、次の共通点がある。
 1 男女関係に影響を与える大きな障害を抱えている
 2 スポーツウーマンである(ヨット、乗馬、ランニング等)
 3 自分では意識していないが印象的な美女である
 4 医者(病気、薬物、治療法の方面に専門的知識を持っている)である
 こういう彼女たちが、素敵な男性から愛されるというのは、ロマンス小説にありがちな設定なのかな?
 こちとら、ロマンス小説は、全くと言って良いほど読んでいないので、比較できない。
 彼女たちは、自分ではどうにもならない否定的側面を抱えている。
 だから、俗っぽい男には見向きもされないが、彼女たちが好ましいと思う男には何故か信じられないほど愛される。
 こういう設定がやっぱり女性には受けるのかなあ?
 なーんて書くといかにも女性を蔑視しているように思われるかもしれないが、そうではない。
 ネットで生きてるボクらには、リア充にはわかって欲しくない思いというものがある。
 そういう一人として、非リア充の切ない思いなどバカに出来ませんよ。
 とはいうものの、このS・J・ボルトンって言う人、何かコンサル系の人だったというから、プロファイリングしてみたくなるね。
 だって、この人、リア充でしょう?きっと。
 写真見ると、結構美人だし、当然、知的だし、医療や薬物に詳しいのはコンサルで製薬会社かなんかのプロジェクトが専門だったからじゃないかな?
 そういう彼女がこういう小説を書くというのは、これがベストセラー狙いなら、マーケット・リサーチはお手の物だろうから、面白くないね。
 しかし、何か私生活でトラブルが起きて、リア充でなくなってて、もっと内的に突き動かされるものによって、こういう小説を書いたのだとしたら、面白いのだが。
 読者としてはすぐそういうことを期待するものだが、次作は警官小説みたいなので、単にベストセラー狙いなのかも。
 ところで、そんな下世話なことより、作品の評価だけど、まあまあ面白かったが、ちょっと疾走感に欠けるかな。
 前二作と比べると、ページをめくる速度はやや落ちるね。  ま、80点かな?

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。