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2015年1月7日 / misotukuri

映画「メビウス」ースパイに恋は禁物よ度

 今年も映画を120本目標に見ていきたいと思っている。
 早速、#001:「ロシアン・ルーレット」、#002:「最強のふたり」、#番外:「ゼロ・グラビティ」(去年も見たから)、#003:「メビウス」とまあまあの滑り出しだ。
 昨夜見た#003:「メビウス」(13年、仏他、エリック・ロシャン監督、ジャン・デュジャルダン、セシル・ドゥ・フランス他)は、日本では未公開ながら、なかなか優れた作品だ。
 プーチン露大統領と彼の政敵ベレゾフスキーとの確執やリーマン・ショックなど現実の事件を絡めたややこしいスパイ劇の中で思いがけず、そうと知らずに恋に陥ってしまうFSB(旧KGB)の現地スパイ指揮官とCIAの潜入女スパイの切なくも悲しい物語だ。
 ラストなど、涙なくして見られない。
 まあ、日本の片田舎で夜ホームこたつに入って焼いたお餅を砂糖醤油で食べながらTVを見ている我々には非現実の遙か彼方の話だが、こういうヤバイ世界が現実にあることも確かだろう。
 潜入女スパイのアリスは、「リーマン・ショックを引き起こしてやったわ」と平気でうそぶくデリバティブ商品を開発するモナコのある投資銀行のやり手ウーマン。
 彼女は、実際にそういう悪辣な事をしまくったおかげでアメリカを国外追放されているということになっているが、実はCIAにスカウトされ、ロシア人実業家ロストフスキーの資金洗浄疑惑を調査していたところだったのだ。
 それが何と、ある日、モナコ警察を騙ったFSB局員からアメリカに帰れるようにしてやるからウチのスパイにならないかというスカウトが来る。
 しかも、何をするかと言えば、ロストフスキーに近づき、資金洗浄のオトリ捜査をやってくれというのだ。
 そこでCIAは、自分たちのミッションを一時棚上げして、FSBのミッションにただ乗りすることにし、彼女はCIAとFSBのダブル・スパイとなって危険の中に飛び込んでいく。
 そして、偶然が元で、彼女の正体を知らないFSBのチーフ工作員モイズと彼の正体を知らない彼女が、のっぴきならない恋に落ちてしまう。
 昔の映画に「クレムリン・レター」(ノエル・ベーン原作)という傑作があったが、あれにも似たような話があった。
 KGBの上級幹部の奔放な美貌の妻が男娼に扮したCIA工作員に恋をしてしまうのだが、最後にその正体を知って、そうよね、なんでもない男があたしのような女に近づいてくるはずがないわよね、と嘆くシーンだ。
 斯くの如くスパイに恋は禁物なのだ。
 何故か? 当たり前だが、情が移るから。
 いくらかけ出しスパイでも、アリスも自分にプライベートなラブ・アフェアが起きるなんて期待してはいけなかった。
 モイズの方も、まさかアリスがCIAの工作員だったとは!というのは、しかし、ちょっとお粗末だったね。
 でもまあ、恋しないスパイなんてドラマの主役にはなれんよな。
 「クレムリンレター」、「ロシアの恋人」、「寒い国から帰ってきたスパイ」、「ヒューマン・ファクター」等々。
 佐藤優があの小保方さんは北朝鮮からスカウトされるかもとか言っているようだが、誰も相手にしなくなった彼女を拾うのは北朝鮮かも知れないというのは、十分リアリティがある話だ。
 確かに、彼女もこの映画みたいに、例えばの話だが、日本の外務省あるいは自衛隊などが彼女をスカウトし、北朝鮮や中国が食いつきそうな餌を流すと、面白いかも知れないね。
 何となくうまく行きそうな条件が揃っている。
 小保方さんがどこかの国のスパイダなんて、誰も想像だにしないだろうからね。
 それにしても、北朝鮮が生物化学兵器の開発に彼女をスカウトするかもしれないと思った佐藤優の妄想力はスゴイね。
 私もこの映画を見るまで、そういう奇想天外な位相幾何学的発想は出来なかったよ。
 小保方さんをヒロインにして換骨奪胎のスパイ小説が出来そうだ。
 では。

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