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2015年2月15日 / misotukuri

 小説「ズー・シティ」の動物連れ女には惚れるなよ度

とうとう「ズー・シティ」(ローレン・ビュークス著)読了した。  
いやあ、スゴイ小説があるもんだね。  
こういう小説を読むと、もう普通の小説は馬鹿馬鹿しくて読めないね。  
南アフリカの作家の小説を読んだのはこれが初めて。  
映画では「第9地区」という傑作を見たことがあるが、あの宇宙人たちはいわば南アに最初に移植したオランダ人で、宇宙人に変身してしまう現地人はオランダ人と混血して出来たボーア人と考えればなんとなく読み解けた気分になる話だった。  
南アフリカと言えば、治安の悪さで有名で、今でこそISILでシリアやイラクが危ないが、かっては南アのヨハネスブルグが世界一危険な都市だった。  
ヨハネスブルグやプレトリアなど、ジャカランダの並木がとても美しい街だが、観光案内でも「決してバスから降りないでください」という注意書きが多分現在でも有効なくらい危険なところ。  
そういうヨハネスブルグを舞台に兄を殺してナマケモノと結びつけられたジンジは、紛失物探しの特殊能力を見込まれ、大物プロデューサーの依頼で、行方をくらました双子のアイドル歌手の妹ソングを多額の報酬と引き替えに探すことになったのだが・・・
これは、地元南アフリカの作家が書いた自称絵空事SFだが、なかなかどーして絵空事とは思えない迫真の描写がリアル。  
何と言ってもアフリカのことだから、失礼ながら、現実にあっても不思議ではない怖さがある。  
終わり近くで、アイドル歌手失踪事件は一件落着という感じになるのだが、もちろん、それで終わるわけない。  
悪夢はまだまだ続き、誰も予想できないものすごいクライマックスに突入していく。  
確かに、これは映画化すれば、世界的にヒットしなくてもカルト的な人気の出る映画になるだろう。  
また、訳者も困っただろうセリーヌのように現代俗語を多用する文体は、下らない文章表現上の約束事を無視して疾走する。  
しかし、これって、SFなのか?  
そういうSFファンダメンタリスト的疑問はある。  
ダーク・ファンタジーじゃないのか? なるほど、だから絵空事。  
この主人公ジンジ・ディッセンバーという動物連れ女に感情移入できる人間は少ないと思うが、それは、やっぱり、あなたが犯罪者でないからだろう。  
この作家の出たばかりの「シャイニング・ガール」も読んでみたいが、カスタマー・レヴューは最悪だね。  
逆にそういう作品こそ、噛みごたえがある。  
では。

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