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2015年7月9日 / misotukuri

「その木戸を通って」の繰り返し愛してやまぬパターン

「読まずにいられぬ名短編」(北村薫、宮部みゆき編)を読んでいて、「その木戸を通って」という名作にぶつかった。
私も昔、山本周五郎に熱を上げていた頃があって、これも読んだと思うのだが、まったく記憶がない。  
小説の登場人物の”ふさ”のように。  
山本周五郎の短編で鮮烈なショックをまだ覚えているのは、「肌匂う」だけ。  
しかし、この「その木戸を通って」というのは、まるで「フリンジ」だね。  
伝奇、ファンタジー、怪異譚の部類に分類されるのだろうが、SF的な説明も出来そうだ。  
これは、どこからともなくやって来た記憶喪失の若い女性が、忘れがたい印象や形見を残して再びどこへともなく消え去ってしまうという話だ。  
竹取物語、羽衣伝説、鶴の恩返し、雪女、座敷ぼっこ(逆だが)などに繰り返し好んで使われるパターン。  
このパターンの物語に出会うと、決まってわれわれは条件反射的に感動してしまい、これは名作だと思ってしまう。  
下手すると涙腺を刺激してしまう。  
いったいどうしてだろう?  
では。

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