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2016年6月19日 / misotukuri

映画「リピーテッド」のニコール度

 昨夜は、映画「リピーテッド」(14年、米、ローワン・ジョフィ監督、ニコール・キッドマン、コリン・ファース、マーク・ストロング、アンヌ=マリー・ダフ他)を見た。
 記憶が1日しか持たない記憶障害ものだが、SFかと思ったら、これはミステリだった。
 男性が主人公の場合は、10分間しか記憶が持たない「メメント」(00年、クリストファー・ノーラン監督)がスゴかったが、女性の場合はどうしてもこういうロマンチック・サスペンスになるのかな?
 記憶喪失の「心の旅」(91年、米、マイク・ニコルズ監督、脚本J・J・エイブラハムズ、ハリソン・フォード、アネット・ベニング)の裏返しみたいな映画だ。
 失われた過去に何があったのか、知らない方が傷つかなくて済むなんて言われると、人間はもっと知りたくなるものだろうか?
 まあ、それはその人の年齢にもよるし、記憶が保つ時間にもよるだろう。
 まだ40歳で、二十歳代前までの記憶しかなければ、この映画の主人公のように、失われた記憶を取り戻そうと頑張るだろう。
 50歳でも、まだそうかな?
 しかし、60歳、70歳、80歳と年を取るごとに、日々失われる記憶に執着しなくなるのではないか?
 先日、90歳で亡くなった人が、新しいことは20分くらいしか記憶が保たない記憶障害の認知症だったが、自分の記憶がほとんど失われていることに焦りや不安の反応は特には見せなかった。
 オレなんかもそうだが、あまり変化のない人生で、しかも古いことは覚えているから、今の記憶が20分で消えてわからなくなっても大した支障はなかったのかもしれない。
 しかし、古いことはよく覚えていると言っても、30年前に死んだ夫のことは名前も忘れていたとかで・・・夫なんてしょせん他人か!ガクッと笑ったよ。
 ともあれ、この映画の主人公は、まだ40歳のニコールだから、まだまだ失われた自分の過去を取り戻したいのだ。
 しかしまあ、こういうことは、主人公がニコール・キッドマンのような超絶美女だから起きることのようにも思える。
 普通の女性なら、とっくの昔に精神病院で薬漬けになっているだろう。
 記憶障害でも英国では精神病院に入れられるんだね。
 しかし、精神病院に入ってたんじゃあ、多分、身の回りに失われた過去についての何のヒントもないだろうから、聞かされることを受け入れるしかないだろうね。
 それでも嫌なら、1日で記憶が消えるのを知った上で脱走するか?
 昔、「泳ぐひと」(68年、米、フランク・ペリー監督、バート・ランカスター)というアメリカン・ニューシネマの傑作があったが、あれなんかも今で言うなら・・・・だね。
 記憶が自己存在を規定するのか、自己存在が記憶を規定するのか、あるいは相互作用なのか?
 記憶と自己存在は切り離せないもので、どちらかが消えても死に違いはない。

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