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2016年7月28日 / misotukuri

最近、単独襲撃犯が多すぎる

 神奈川県相模原市緑区の知的障害者福祉施設「津久井やまゆり園」で7月26日、19人が刺殺され、26人が重軽傷を負った事件。
 うーん、日本でもついに起きたか!という感じだね。
 事件の詳細はまだ不明だが、同施設の元職員でもあった植松聖容疑者(26)は、要するに精神障害者なので、これだけの事件を起こしても今の刑法では死刑などの処罰は難しいだろう。
 先日の朝日新聞にドイツで続いた単独犯による襲撃事件に関連し、朝日が書くか?と思うような記事があった。
 それは、第2面の「解/説 監視対象外でも急に過激化」という見出しの記事(ヨーロッパ総局長・石合力氏の署名記事)で、7月22日夕方ドイツ・ミュンヘンのマクドナルド店で起きた銃乱射事件の解説だ。
 この記事を少し引用すると、次のとおり。
 <欧州対テロセンター(本部オランダ・ハーグ)が20日に発表したリポートは、単独犯による襲撃を未然に防ぐ難しさを強調。また、「00年~15年に起きた単独犯による襲撃の約35%は犯人が精神的な疾患だった」との研究を紹介している。>
 いかにも、朝日的なあいまいさに満ち満ちていて誰がそう言っているのかよくわからない、責任逃れの文だが、結論はこうだ。
 <移民や難民への偏見や排外主義を高めないためにも、監視を強めてでもテロ・暴力を封じ込め、市民に「安心感」を取り戻すことを検討せざるを得ない。>
 そして、次の<今欧州社会の抱える闇はそれほど深い。>という文で終わるのだが、これもまた、主語がないので、<検討せざるを得ない>のは、具体的に誰がせざるを得ないことなのかよくわからない。
 欧州の行政当局なのかはたまた一般市民なのか、顧みて我が国でもということなのか?
 まあ、朝日新聞をあげつらうのが目的ではないので、どうでもいいのだが、問題は、「00年~15年に起きた単独犯による襲撃の約35%は犯人が精神的な疾患だった」という欧州対テロセンターのリポートの中にあるという研究だ。
 これまた、どこの研究かもこれだけではよくわからないし、欧州対テロセンターの結論とも断定出来ない文だ。
 私が朝日新聞の物言いを生理的に嫌う理由がおわかりかと思うが、それもどうでもいい。
 問題は、「単独犯による襲撃の約35%は犯人が精神的な疾患だった」というところ。
 容疑者の植松聖の個人的動機を幾ら探っても、何故、「障害者などいなくなればいい」と思ったのかについての説明はつかないだろう。
 だって、彼も精神疾患なんだもの。
 映画「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配することを止め水爆を愛するようになったか」(スタンリー・キューブリック)は、核ミサイル基地の司令官が冷たい戦争の恐怖の均衡を続けていくプレッシャーに負けて精神に異常を来し、確信犯的に核ミサイルの発射ボタンを押してしまう話だが、これこそまさに福祉の現場で働く人間の受けるプレッシャーと同じで、真面目な人ほど精神に異常を来しやすくなる。
 たとえどんな事情があろうと、施設での事故を引き起こして、それが原因で訴訟されたりすると、その直接の担当者や管理責任者の人生はパーだし、施設の運営も出来なくなる。
 おまけに、肝心の入所者には、どう考えたって、彼らの未来には何の希望もなく、展望も開けない。
 ただ、延々と周囲に迷惑をかけて、いつか訪れる死を待っているだけの毎日。
 いっそ、ひと思いに・・・と思うのも無理からぬところがある。
 それを身勝手な理屈だというのは、施設に放り込んだままの家族や何の苦労も知らない人間に言われたくない非難だろう。
 家族には、守らなければならない自分たちの生活があるわけで、幾らお金があっても自分が障害者の犠牲になりたくない。
 つまり、これが障害者以外の誰しも思う本音の部分で、障害者を社会のお荷物と思っている我々の排他的な気持ちが植松聖のような病人の心をマインドコントロールしたのだろう。
 テロ実行犯とか通り魔とかこういう植松聖のような単独襲撃犯というのは、映画「タクシードライバー」のトラヴィス(ロバート・デ・ニーロ)の犯行のように、加害者に個人的動機はなく、被害者にも加害者に殺されるべき直接の理由がない。
 あるのは、社会から駆除すべき存在としての〇〇〇という刷り込まれた記号としての理由だけだ。
 では、彼らはサイコパスなのかと言えば、同じ反社会的人格障害でも、サイコパスは自分の利益にならないことはしないので、サイコパスでもないと思う。
 植松聖は、過去に精神病院に措置入院させられ、反社会的人格障害という診断を受けているが、反社会的とは言うものの、それは実は社会の本音の部分に極めて親社会的なのだ。
 彼らは、社会の無言の圧力というマインドコントロールを受けやすいタイプなのだろう。
 それが大麻の常習によって引き起こされたものなのか、生得的なものなのかはわからないが。
 サイコパスや知的障害者や植松聖のようなマインドコントロールを受けやすいタイプなど様々なタイプを含めての人間を網羅する刑法理論、特に処罰する理論的根拠というのは、戦後の人権主義的近代司法理論では説明が難しい。
 結局、彼らは精神鑑定なんかで無罪となってしまうので、欧米では警官による現場処刑という形を取りやすい。
 日本では、まだそこまで反社会的人格障害の人間がいないので、そういうことは滅多にないのだろう。

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