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2017年5月28日 / misotukuri

あのアンセルモ・モレノ、3RKO負け!

 5月27日、WBCスーパー・バンタム級挑戦者決定戦、アンセルモ・モレノ(1位)VSフリオ・セハ(5位)の一戦は、何とセハの3RKOで、レイ・バルガスへの挑戦権を得た。
 https://www.youtube.com/watch?v=D4BzbxhAurw
 モレノは山中慎介戦で7RTKO負けした後、階級を一つ上げての再起戦だったが、何という脆さ。
 1,2R、難なくセハをノラリクラリかわしていたモレノだったが、3Rセハがロープ際まで追い詰め、左アッパーでモレノのアゴを跳ね上げると、モレノはそのままダウンし、立ち上がれなかった。
 体格は数字的にはモレノがやや上回っていたが、身体の厚みが全然違っていた。
 これが階級の壁というものか。
 それとも、山中慎介戦でKO負けの恐怖を初めて知った男にその時のトラウマが甦ったか。
 あきらめるのが異常に早すぎる。
 セハと戦う前に山中に壊されていたのかも。
 セハは、WBCの元王者だが、パンチ力はあるが打たれ脆く、モレノには子ども扱いされると思っていたが、強引に攻め込んでアッパーの連打が良かった。
 一発しか当たらなかったのだが、それでもそれで決めてしまった。
 やはり、パンチ力があるボクサーは恐いね。
 モレノは、もう引退だろう。
 かっての名チャンピオンが、これ以上ボロボロになるのは見るに忍びない。
 同日、IBF世界ウェルター級タイトルマッチでは、王者ケル・ブルック(英)に指名挑戦者エロール・スペンス(米)が挑んで、11回1分47秒KO勝ち。
  https://www.youtube.com/watch?v=ILTN-Bu0GgY
 これも、あのケル・ブルックが?という驚きの試合。
 一つ上のミドル級でゲンナジー・ゴロフキンに挑戦して、ポイントでは上回りながら、右眼窩陥没骨折の上、半殺しにされてTKO負けしたブルックが、本来の階級に戻したところ、本来の調子が出ずに、いいところなく、新鋭にKOされてしまった。
 終始精彩を欠いていたね。
 3Rかな、スペンスの右ジャブがブルックの左目を直撃、これ以降、何かグローブで目をこするような仕草をしていた。
 9Rからははっきりとスペンスが攻勢に出た。
 10Rにスペンスにラッシュを掛けられ崩れるようにダウン。
 そして、11Rに左目の不調を訴えて、自らダウン。
 腫れ具合は、それほどでなかったから、トラウマにとらわれたのか、ダメだなこれも。

2017年5月18日 / misotukuri

映画「イヤー・オブ・ザ・スネーク/第四の帝国」の報道の萎縮度

 昨夜は、映画「イヤー・オブ・ザ・スネーク/第四の帝国」(本邦劇場未公開、12年、独、デニス・ガンゼル監督、モーリッツ・ブライプトロイ、カシア・スムトゥニアク他)を見た。
 これは、第二次チェチェン紛争で名をなした若き指導者プーチンを告発して暗殺されたジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤの事件を思わせる作品だ。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%BB%E3%83%9D%E3%83%AA%E3%83%88%E3%82%B3%E3%83%95%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%83%A4
 彼女の「チェチェンやめられない戦争」は2004年に日本でも翻訳されてひとしきり話題になったが、チェチェンは日本人にはあまりにも遠く、すぐに忘れ去られた。
 https://www.amazon.co.jp/チェチェン-やめられない戦争-アンナ・ポリトコフスカヤ/dp/4140808918/ref=cm_cr_arp_d_product_top?ie=UTF8
 この映画「イヤー・オブ・ザ・スネーク」は、ドイツ人のジャーナリストが大義なきチェチェン戦争の告発をする女性ジャーナリストに恋し、その手助けをしたところ、逆にFSB(KGBの後進)の陰謀に巻き込まれ、投獄されてしまう話だ。
 チェチェンのテロリストたちの獄舎に入れられるのだが、彼らには刑務所長のスパイではないかと疑われ、半殺しの目に遭う。
 たまたま、主人公の同じくジャーナリストだった亡父と獄舎のボスが親しかったことがわかり、殺されることを免れ、逆にチェチェン戦争の真相を教えられることになる。
 盗聴法や共謀罪が報道を萎縮させるなどという軟派なジャーナリストたちの意見が喧しい日本と違って、彼らは報道に命を張っている。
 だが、彼らの当局に対する一時の勝利は、常に死の報復を招くのだ。
 この映画でもチェチェン独立派による地下鉄爆破テロがあり、その犯人等の行動の一部始終が監視カメラで撮影されていて、動かぬ証拠とされるのだが、あまりにもできすぎており、国家による自国民を犠牲にしたテロを疑わせる。
 だが、そんなからくりは一般市民にはわかるはずもないこと。
 先月、サンクトペテルブルクで地下鉄の爆破騒ぎがあったばかりで、キルギスタン系の青年の自爆テロが疑われているが、真相はわかったものでない。
 報道が萎縮するのはこういう力と力がぶつかり合う国柄のところの話だが、萎縮する人間というのは、どこの国でも同じと見える。
 やはり、守るべき何かがある場合、そこが弱味となって脅迫されることになる。
 対戦型の戦いにおいて互いの弱味を突かないと言うルールは、成り立ちにくいので、それは仕方がないこと。
 とすると、マウンティングされたくないという気骨のある人間は、持てる武器で戦うしかないのだ。
 この映画の結末をどう見るかだが、あのような脅迫以外に何の効果もない誓約書にどういう意味があるのかよくわからない。
 また、密かに隠されていた主人公の亡父(旧東ドイツのマルキストのジャーナリスト)のプーチン批判の没原稿をゴシップ誌の編集長がわざと知らん顔して掲載するというのは、ジャーナリズムの一時的なものであるにせよ、勝利と言えるのだろうか?
 アンナ・ポリトコフスカヤ自身も2006年10月7日、自宅アパートのエレベーター内で、何者かに射殺された。
 この映画のヒロインのジャーナリストも弟を人質に取られているため、主人公の無事な脱出を見とどけてから当局に自首するつもりだと言うが、彼女を待っているのは、多分、死だろう。
 日本人のジャーナリストで権力の圧力に萎縮せず命を賭けているのは、フリー・ジャーナリストくらいのものだろうが、社畜と化した大手ジャーナリズムの記者たちは、こういう映画を見てどう思うだろうか?
 オレらにはできないな・・・と言うのが、ほとんどだろう。
 私は、共謀罪、何と呼ぼうと必要だと思うし、賛成だが、ところで、国家テロの共謀は、共謀罪で裁けるのだろうか?
 では。

2017年5月13日 / misotukuri

井上尚弥、八重樫東防衛戦を予想する(結果付き)

5/21(日)にも前日に続きプロボクシングの世界戦がある。
世界戦が見られるのは良いが、こんなに詰まなくてもいいのにと思う。
<ダブル世界タイトルマッチ>
1.WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ
 井上尚弥 VS リカルド・ロドリゲス
 まずは、データ比較から。
 井:24歳、右、身長164cm、リーチ172cm、12戦12勝(10KO)、KO率83%
 ロ:27歳、右、身長163cm、19戦16勝(5KO)3敗、KO率26.3%
 ロドリゲスは井上がV2戦で対戦したデイビッド・カルモナに2度判定で負けている。
 井上はカルモナを拳を痛めたためKOできなかったが、終始圧倒して問題にしなかった。
 井上>カルモナ>ロドリゲスで、これはどう見ても井上には楽な相手に思える。
 興味は、一段とパワーアップしている井上がどんな勝ち方をするかだが、こういう時は怪我が心配だ。
 強引に1RKOなど狙って行くと、バッティングで瞼を切ったりする。
 カルモナVSロドリゲスの動画を見たが、地域タイトル・レベルだな。
 井上のスピードとパンチ力はカルモナを遙かに凌駕しており、やっぱり、カルモナにどうしても勝てないロドリゲスごとき問題にならないだろう。
 ズバリ、予想は井上の5RKO勝ちとする。
 <結果速報>
 井上の3RTKO勝ち。
 やっぱり、モンスターだ。

2.IBF世界ライトフライ級統一戦
 八重樫東(正規)VS ミラン・メリンド(暫定)
 これも、まずはデータ比較から。
 八:34歳、右、身長162cm、リーチ161cm、30戦25勝(13KO)5敗、KO率43.3%
 メ:29歳、右、身長157cm、リーチ162cm、37戦35勝(12KO)2敗、KO率32.4%
 体格的には一階級上のフライ級で世界を獲ったことのある八重樫が一回り大きく見えると思う。
 メリンドはフライ級でエストラーダに挑戦した時はいかにも小さく見えた。
 この身体の小ささがなかなか世界に届かない原因のように思う。
 メリンドはもう一つ絞ってミニマム級なら世界王者は間違いないだろう。
 共通の対戦者として、前王者のハビエル・メンドーサがいるが、八重樫は2015年12月に当時この階級最強とも言われたメンドーサを完封して三階級制覇したが、メリンドは同じ年の5月にメンドーサに挑戦して負傷判定負けしている。
 両方の試合を見ているが、やはり、メリンドはメンドーサに体格負けしていた。
 だから、実力がこの時のままだと、やはり、八重樫が問題なく強いと思う。
 だが、激闘王八重樫ももう34歳、何度も限界を乗り越え、三階級制覇もやってのけたが、そろそろモチベーションが切れかかっている頃だと思う。
 また最近は好不調が結構目立つようになって来ており、今回不調の波が来る回りだとすると、思わぬ惨敗を喫するかもしれない。
 なんとなく、不安だが、予想としては、判定で八重樫としておこう。
 <結果速報>
 な、何と、1RTKOでメリンドの勝ち。
 フリー・ノックダウン制だが、八重樫は3回立て続けにきれいにダウンさせられて、ダメージが大きく、ストップされた。
 一回り大きく見えるはずの八重樫が小さく見えたので、これはヤバイかもと思っていたところだ。
 最初のダウンでこめかみを打たれたのが効いてしまったのだろう。
 34歳だから、もう再起は難しいだろう。
 三階級制覇もしたし、これ以上モチベーションを続けるのは難しいだろう。
 そういう危機感を本人は持っていたと思うが、頭ではそう考えても、身体は戦う状態になかったようだ。
 

2017年5月12日 / misotukuri

村田諒太、比嘉大吾、拳四郎、田中恒成の世界戦をまとめて予想する(結果付き)

5/20(土)には、世界タイトルマッチが四つもある。
もう試合まであとわずかなので、今回もそろそろ予想しておこうと思う。
◎トリプル世界タイトルマッチ/東京・有明コロシアム
1.WBA世界ミドル級王座決定戦
  ハッサン・エンダム(37戦35勝21KO2敗)VS 村田諒太(12戦全勝9KO)
 まず、戦績以外の比較だが、エンダムは、33歳、オーソドックス、身長180cmに対し、村田は31歳、オーソドックス、身長182cm、リーチ183cmと、だいたい互角と言って良いだろう。
 村田はロンドン五輪のミドル級金メダリスト。
 五輪のメダリスト全員がプロの世界チャンピオンになれるわけではないが、その確率は高いものがある。
 ただし、現在のミドル級はゲンナジー・ゴロフキンというとてつもないスーパーチャンピオンがおり、仮に王者になっても、ゴロフキンに挑戦して勝てなければ、誰も真の王者とは認めてくれないだろうし、それは両者とも重々承知の上のことだ。
 だが、村田にしても、ゴロフキンに挑むには、まず、WBAの正規世界王者になることが必要だ。
 それで、その可能性はあるのか?
 十分あると思うが、エンダムは既にWBA同級暫定チャンピオンだったわけで、村田がプロになって戦った中では最強の相手と思う。
 2敗の対戦相手を見ても、ピーター・クイリン、デヴィッド・レミューという超一流の同級チャンピオンに挑戦して判定負けしたというもの。
 このうち、レミューはエンダムとの空位のIBF王座決定戦で勝って王座に就き、ゴロフキンと王座統一戦をしたが、まったく歯が立たず、8RTKOで敗れた。
 如何にゴロフキンが強いかということだが、ゴロフキンのことはともかく、エンダムはレミューに判定まで粘ったが、三者とも4ポイントから6ポイント差のまあ、完敗という試合だった。
 これは結局パンチ力の差だろうと思う。
 重量級になると、テクニックもさることながら、パンチ力やパンチに対する耐久力がより問題となる。
 体格では互角の村田がエンダムを崩せるとしたら、やはりそこだろうと思う。
 付け焼き刃のパンチ・テクニックではなく、村田の重いパンチと防御を含めた耐久力で勝負だろう。
 それで、予想だが、正直四分六で不利と思うが、願望を込めて、村田の判定勝ちとしたい。

 <結果速報>
 2-1(116-111,110-117、115-112)でエンダムの勝ち。
 私の採点は117-110で村田の勝ち。
 4Rにダウンを奪って以後、8R以外は村田のフルマーク。
 だが、こういう採点もあるかもとは思っていた。
 どちらが強いか、戦っている両者とも、わかっていただろう。
 強いのは村田だが、上手いのはエンダム。
 しかし、こういう採点上の混乱があるのが、現代のポイント・ボクシングなのだ。
 村田のような攻防分離型のボクシングでは、相手をKOしない限り、決定的に不利。
 盾の上から叩いているのもポイントになるというのは、ボクシングという戦争の代替物としての今や最もスポーツらしいスポーツの本質を理解していない者の浅はかな考え。
 こんなボクシング、その典型がフロイド・メイウェザーだが、こういうのが面白いのか?ということだ。
 <追伸2017.5.26>
 どうやら、WBCは、ジャッジ2人を処分して、再戦指令するようだ。
 ボクサー経験のあるジャッジでないと、どちらがラウンドを支配しているか、よくわからないのでは?
 ただ、再戦したとしても、村田は今度こそ素人にもわかるように明確に勝たなければならない。
 それには、KOするしかないと思うな。  

2.WBC世界フライ級タイトルマッチ
  ファン・エルナンデス(36戦34勝25KO2敗)VS 比嘉大吾(12戦全勝12KO)
 まずは戦績以外の比較だが、エルナンデスは30歳、オーソドックス、身長159cm、リーチ165cmで、対する比嘉は、21歳、オーソドックス、身長・リーチ不明。
 チャンピオンのエルナンデスは、ミニマム級時代に井岡のV1戦を戦ったボクサーだが、まあ大差の判定負けで、この時のイメージがあるので大したことないと思っていたら、階級を2つ上げ、敵地タイで相手をKOして空位の王座を獲得した試合を見て、私も驚いた。
 あらゆる面で、ものすごく進化している。
 これは、比嘉の勢いをもってしても難しいのではないかと思う。
 ただ、比嘉のボクシングは、鋭い踏み込みで、強烈なパンチを当て、連打で一気にKOしてしまうといったものなので、相手に長くボクシングさせない凄みがある。
 もっとも、全KO勝ちは良いのだが、判定でもつれた試合を勝ち抜く試合をしたことがないのが、不安といえば不安だ。
 即決粉砕なら比嘉、もつれたらエルナンデスだろう。
 予想は、これも期待を込めて、比嘉の6RKO勝ちとしたい。

 <結果速報>
 ぴったし、予想どおり、比嘉の6RTKO勝ち。
 6度ダウンを奪い、全勝全KOで新チャンピオンになったのは、日本ボクシング史上初めて。
 とてつもないパンチ力がエルナンデスのテクニックを粉砕した。
 計量を確信犯的に失敗した奴をKOしたというのも良かった。

3.WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ
  ガニガン・ロペス(34戦28勝17KO6敗) VS 拳四郎(9戦全勝5KO)
 まず、戦績以外の比較だが、ロペスは35歳、サウスポー、身長165cm、リーチ160cmで、対する拳は25歳、オーソドックス、身長164cm。
 ロペスは木村悠からタイトルを奪ったメキシコの公務員ボクサーで、これがV2戦。
 拳四郎は、本名は寺地拳四郎、寺地永の息子だが、東洋太平洋ライトヘビー級チャンピオンだった父親と違って背が低い。
 私の好きな久田哲也との日本タイトル戦を王座返上までして、この世界タイトル戦に賭ける。
 拳四郎のボクシングは、少年のような童顔に似合わずスタイリッシュなもので、こんなので通用するのかなと思うほどきれいなボクシング。
 それでいて、ワイルドに攻めてくる相手を翻弄するのだから、確かに世界レベル。
 どちらかと言うと、カウンター・パンチャーかな?
 しかし、チャンスとなった時の集中連打の回転力は日本人離れしている。
 だが、ガニガン・ロペスはサウスポーのテクニシャン。
 こういうタイプとは拳四郎はまだ戦っていないと思うので、そのあたりが不安かな?
 特にサウスポー対策が十分できていないと、キャリア不足を露呈して、スタイルを崩してしまう。
 ロペスは、多分、拳四郎は木村悠に似たタイプと、若干、甘く見ているのではないかな?
 そういう油断をしてくれると、拳四郎としてはチャンスが出てくると思う。
 しかし、ロペスは前回の来日時のコメントをみても、努力家のようで非常にしっかりしており、なかなか油断してくれるような相手ではないと思う。
 テクニック合戦になれば、サウスポーの優位で、今のパンチ力では拳四郎は勝てないだろう。
 予想としては、ズバリ、ロペスの判定勝ち。

 <結果速報>
 2-0(114-114,115-113×2)の判定で拳四郎が新チャンピオン。
 最終回しか放送がなかったが、激闘のようで、是非フルで動画を見てみたい。
 よく勝てたな。
 これで、ライト・フライ級は、主要4団体全部日本人ボクサーが占めたことになる。
 WBA(世界ボクシング協会)・・・田口良一
 WBC(世界ボクシング評議会)・・・拳四郎
 IBF(国際ボクシング連盟)・・・八重樫東
 WBO(世界ボクシング機構)・・・田中恒成
 これは、是非、トーナメントで統一戦をやって欲しいな。
 <追伸2017.5.22>
 動画でフルラウンド見た。
 これは、微妙な判定だな。
 私の採点でも拳四郎の115-114で勝ちなのだが、12Rをロペスに振ると114-114のイーブンとなり、チャンピオンの防衛となる。
 私は12Rを珍しく、10-10につけた。
 1R~11Rまで、スピードで上回る拳四郎をロペスは捕まえることができなかった。
 お互いにほとんど有効打なく、若干、若さと当て勘の良さで拳四郎が上回っていたが、10R,11Rと逃げに回ったため、1ポイント差まで詰め寄られた。
 このまま、打ち合って勝とうとする意欲を見せなければ、引き分け或いは逆転もあり得た。
 12R最終回、父親の叱咤で、勝ちに行って、結果的にひいき目には五分以上の打ち合いを制した。
 特にボディの気合いのこもった連打は、三浦隆司のローマン戦で見せた必殺ボディブローを思わせるものがあった。
 しかし、その結果、ロペスにガラ空きの顔面を何度も痛打され、ポイント的には、拳四郎の9はないものの、ロペスを9とするわけにも行かず、しかたなく、10-10にした。
 互いの有効打のあったのは、最終回のみで、ボクシングとしては面白みに欠けた。
 <追伸2017.5.26-ロペスWBCに再戦提訴>
 どうかなと思っていたら、ロペスが判定を不服としてWBCに提訴し、ダイレクト・リマッチを要求した。
 ロペスは2ポイント自分が勝っていたと言っているらしい。
 ロペスの1-0×2(115-113、114-114×2)の引き分け防衛(マジョリティ・ドロー)なら、あっても不思議ではなかった。

◎WBO世界ライトフライ級タイトルマッチ/愛知、武田テバオーシャンアリーナ
4.田中恒成(8戦全勝5KO)VS アンヘル・アコスタ(16戦全勝16KO)
 この試合は名古屋なので、またしても、TV中継放送があるかどうかが心配なのだが、田中の知名度も上がってきたので、どこかでやってくれることを期待している。
 これもまずは、戦績以外のデータ比較から。
 田中は21歳、オーソドックス、身長164cm、リーチ162cmで、対するアコスタは26歳、オーソドックス、身長163cm、リーチ163cm。
 両者体格はほとんど同じだが、注目すべきはアコスタのパーフェクトな成績だろう。
 16戦全勝全KOというのは、スゴイ戦績と思うが、内容が問題だと思う。
 それもデータだけでなく、この目で試合を見てみないとよくわからない。
 というわけで、アコスタの動画を見てみたが、常にアグレッシブで、スピードとパンチ力があるね。
 拳四郎や田口良一よりは強そうだ。
 だが、的中率が悪い感じがした。
 左フックが主武器のようで、一発目よりも二発目、三発目の左フックが要注意だ。
 左フックや右ストレートの一発目を避けて体勢が崩れた時に、高速度で飛んでくる二発目、三発目、これで倒している。
 田中としては、この左フックはしっかり防御して、ガラ空きのアコスタの顔面を狙いたいね。
 それにしても、田中は強敵を選んだものだ。
 ズバリ、予想と行こう。
 共にKO必至だが、アコスタの中盤KO勝ちとみた。
 田中は、これに勝てれば、田口や八重樫らと統一戦をやって欲しい。

 <結果速報>
 田中恒成の3-0(117-110×2,116-111)判定勝ち。
 5Rにはアコスタからダウンを奪ってのもので、完勝の点差だが、そこまでの差があったとは信じられない。
 TV視聴環境悪しで、見ていないので、誰か動画をYouTubeにアップしてくれないだろうか? 
 <動画を見ての感想-2017.5.22>
 私の採点でも、117-110で田中恒成の勝ち。
 やはり、アコスタの欠陥が出ていたね。
 大振りで的中率が悪い、頭の位置がほとんど動かない、防御がガラ空き。
 こういう欠陥を田中は良く研究していた。
 ラウンドの前半は大抵アグレッシブにパンチを振り回すアコスタが取っているのだが、それをしのいだ田中が後半をまとめるので、どうしても田中のラウンドになってしまう。
 8R後半から、いつ田中がKOしてもおかしくないほど、アコスタは疲れが目立ったが、判定まで行ったのは、ときおり当たるアコスタのパンチがやはり強かったからだろう。
 こういう試合を見せられると、現時点ではライトフライ級では田中が最強かもと思ってしまう。

2017年5月9日 / misotukuri

映画「28週後...」のあなたならどうする度

 昨夜は「28週後...」(07年、英、ファン・カルロス・フレスナディージョ監督、ロバート・カーライル、ジェレミー・レナー他)を見たが、スゴイね。
 「28日後...」の続編だが、これは別家族の話だ。
 咬まれると急速にゾンビ化するウィルスの蔓延で、英国は28日でほとんど壊滅したというのは、「28日後...」までの話。
 その後、ゾンビになった者たちが人間を食い尽くしたあげく11日で餓死してしまい、28週後にはウィルスはほぼ終息し、安全宣言が下され、英国は復興に向かっていた。
 米軍を中心とする国際援助部隊が見守る中、海外に避難していた英国民が続々とロンドンに到着する中に、まだ子どもの姉弟がいた。
 彼らを駅で待っていたのは、ゾンビの群れに襲われた際に妻を見捨てて逃げた二人の父親だった。
 姉弟は父親から母親の死を知らされるが、ある日、「母さんの顔を忘れそうだよ」と弟がつぶやいたことから里心に火がついた姉弟は、まだ解除されていない危険地帯にある元のわが家に行って見ようということになる。
 こっそり監視の目を盗んで安全地帯を抜け出していく二人をビルの屋上から監視していた狙撃兵は、直ちに救助ヘリで二人の後を追うように伝える。
 そうとは知らない姉弟は腐臭漂う廃墟となった危険地帯をおっかなびっくり大冒険の旅に出たのだが、・・・
 二人の中でも特に弟の方は、現時点で最年少(12歳)の英国民で、いわゆる虹彩異色症(ヘテロクロミア)の変種(?)で防疫担当の注意を引いていた。
 これは母親の遺伝らしかったということだが、このことはその後の展開の伏線となっている。
 まあ、ここまで言うと、後の展開は誰でも予想がつくだろうが、問題はストーリーじゃない。
 危機管理の要諦は、「要諦」という文字が表すように、何かを諦める必要があるということだが、現実にはそれはなかなか難しい。
 このドラマでは、次の二つのケースが対比的に描かれている。
 1.夫は妻を救けることを諦め、見殺しにした場合
 2.狙撃兵は子どもを撃ち殺すことを諦め、助けることにした場合
 これが逆だと、単純な解決で終わってしまうので、ドラマにはならない。
 夫は妻を助けに戻って戦うが、かなわず共にゾンビのえじきとなるとか、狙撃兵は命令どおり子どもまでも撃ち殺し、一件落着というのではね。
 つまり、そのあたりにドラマ作りの要諦があるのだ。
 あえて、単純な解決を諦め、事態を複雑にし、問題の解決をより難しくすることにこそ。
 この映画の場合、観客は、誰もが、夫よりも狙撃兵の方に感情移入し、共感するだろう。
 共に、緊急避難事態下の行動で、社会的には、前者は許され、後者は処罰される。
 これは、人道か危機回避かであり、あるいは、倫理か法かということでもある。
 個人としては倫理に生き、社会の成員としては法に生きるべきだが、倫理と法が重なり合っていれば問題ないが、このケースのように対立した場合、あなたならどうするかだよな。
 オレは、勝手ながら、他人には法の執行を要求し、自分には倫理に従うね。
 なぜなら、自分あっての社会で、自分を犠牲にしてまで社会に尽くすことはないと思うから。
 結局、社会とはそういう得手勝手なオレみたいな人間で成り立っていると思うのだな。
 ところで、狙撃兵役のジェレミー・レナーも、こういう役どころばかりやってりゃ、人気出るわな。
 彼の出た映画を見たのはこれで5本目だが、いずれも戦う男の役どころ。
 役を選んでいるというが、何か自殺願望でもあるのか、役柄はどれも自分の命を粗末にするところがあるね。
 それにしても、英国の破滅テーマSFというのは、複雑で面白い。
 続編がより面白い映画や小説は珍しいが、この「28週後...」はその稀な例の一つだろう。
 では。

2017年5月5日 / misotukuri

映画「リジェネレーション」の再生不能度

 昨夜、映画「リジェネレーション」(15年、英、サイモン・パメル監督、ラクラン・ニーボア、ノラ=ジェーン・ヌーン他)を見た。
 だが、何と言えば良いのか、久しぶりに、何のことやら、さっぱりわからない映画を見たという感じかな?
 とにかく、まず、わからないのだ。
「リジェネレーション」とは、「再生」の意味。
 もっといい人生を提供する会社と契約していい人生を手に入れた男の誕生日の夜中に突然、武装した男たちがアパートにやって来て、恋人が拉致されてしまう。
 後を追いかけたものの果たさず、呆然としているところ、「今すぐ家へ帰れ」という電話があり、帰ってみると、拉致されたはずの恋人の死体があった。
 そこへ再び電話があり、「助かりたければ、外のタクシーに乗れ」と言う。
 そして、連れて行かれたところは、もっといい人生を提供する会社で、恋人はもっといい人生を選択して、お前の元を去った、死体はそっくりさんの分身だ、お前も殺人犯として追われており、助かりたければ、まったく新しい別の人間になれと選択を迫られる。
 否応なく、記憶を消され、男は新しい顔(まったく同じ顔に見えるが?)に、新しいプロファイル、そして、新しい生活環境を与えられることを受け入れる。
 そんなある日、らせん階段で何者かに拉致された元カノとバッタリ出会ったのだが・・・・
 似たような映画に、ジョン・フランケンハイマー監督の「セコンド/アーサー・ハミルトンからトニー・ウィルソンへの転身」(66年、米、ロック・ハドソン他)という傑作があるが、50年も経ってこの程度のSFしかできないのかという思いはあるね。
 もっと、見ている者にわかるように状況説明をする必要があるのでは?
 ヴァーチャル・リアリティの中の話なのか、多元宇宙の話なのか、整形と記憶操作で現実と幻想が入り混じった話なのか、いずれにせよ、どれが本人でどれが分身なのかよくわからない。
 クローンものなら、例えば、クローンの方がもうちょっとエッジが効いているというか、コントラストがキツく出ているとか、何かオリジナルとはちょっと違う存在にするとかいう工夫が必要だ。
 ラストも、オリジナルが勝ったのか、分身が勝ったのかよくわからない。
 あるいは、分身を含め何人もの自分がいるのは、元々、この自分もオリジナルではなく、分身の一人であり、他人の人生を生きているどこかの誰か(自分でもアイデンティティを喪失して、わからなくなっている)とか。
 逆に、すべてが区別のつかない自分であり、オリジナルか分身かは意識の当て方によって決まるという複数の個体にまたがって存在する集合意識的な自分というか、元々、脳内でしか存在しない意識内でのシミュレーションをしている自分(内心の声の具象化)だとか・・・
 そもそも、答えを求めてはいけない映画なのか?
 わからないものの答えを求めようとせず、アタマの悪い人の人生のようにそのまま描くとこうなる。
 元カノ(本当の元カノかどうかわからないのに)と一緒になりたいという思いだけで行動していて、自分とは何者で何処から来て何処へ行くのかという疑問を持たないタイプの人間。
 彼のいる世界は、彼のような人間が主役になるには難しすぎる世界なのだ。
 駄作だな。こういうの、好きだけど。
 では。

2017年5月3日 / misotukuri

映画「インデペンデンス・デイ:リサージェンス」の衝撃度ゼロの面白さ

 映画「インデペンデンス・デイ:リサージェンス」(16年、米、ローランド・エメリッヒ監督、リアム・ヘムズワース、ジェフ・ゴールドブラム他)を見た。
 あれこれ論じるほどの映画ではないが、楽しめたし、このエメリッヒ監督の手腕はなかなかのものだと思う。
 群衆劇とでも言うべき大人数の登場人物を、それぞれ巧みに個性的に描き分けている。
 主要登場人物の一人一人を主役にした短編小説なら10本はできそうなくらいだ。
  地球が宇宙人の侵略を受けて破滅に瀕している最中に老人と子どもたちがスクールバスに乗って避難するエピソードは特に面白い。
 だからといって、SFとしてよく出来ているかは別で、似たような話をあっちにもこっちにも見つけられるオリジナリティのなさは、どうにかならないかと思う。
 しかし、まあ、これもSFファンばかりをターゲットにしているわけではないから、これで良いのだろう。
 そのあたりが、衝撃度ゼロの物足りなさかな?
  というより、安心してみていられる衝撃度ゼロの面白さだな。
  では。